鋳造のことを知ろうNo.2
鋳造の種類について
平安時代には全国に広がったと言われる「鋳造」という生産性の高い金属加工方法。では鋳造にはどのような種類があるでしょうか。基本的に鋳造加工は高い温度で溶かした金属素材を、造りたい製品と同じ形状をした空洞を持った「型」に流し込み、冷やして固める方法です。
この型が「鋳型」と言われるもので、砂を固めた「砂型」、金属を加工した「金型」、石膏を固めた「石膏型」、なんと発泡スチロールで作った模型を使う鋳型も使われています。
造りたい製品や使う素材により、産業界ではさまざまな鋳造方法が開発され使われています。現在、広く使われている鋳造方法には、
- 砂型鋳造
- 消失模型鋳造
- 精密鋳造
- 重力金型鋳造
- 低圧鋳造
- ダイカスト(精密金型)鋳造
などがあります。一般的に鋳造と聞くと、砂型を使った砂型鋳造や、家電製品の製造にも使われるダイカスト鋳造を思い浮かべることも多いでしょう。
砂型鋳造の場合、1個から製造できるので、試作開発用に利用が可能だったり、大きな鋳物を造ることが可能などの特徴があります。また、ダイカスト鋳造は精密な金型が必要ながら鋳物製品の表面(肌)が滑らかで、寸法精度の高い鋳物製品ができ、かつ大量生産がたやすいという特徴を持っています。
反面、砂型鋳造では鋳物製品の表面(肌)がやや荒いため、製品のニーズによっては仕上げ加工が必要な場合があること、ダイカスト鋳造ではガス含有量が多くなり、鋳巣という内部空洞が発生しやすい、T6、T7などの熱処理や溶接が難しいといった弱点もあります。どの様な鋳造製品が必要かによって、適切な鋳造方法を選ぶ必要があるのです。三久株式会社では、主要な鋳造方法に対応しておりますが、「どのような鋳造方法が良いかが分からない」「自社では適切な加工ができない」というお客様には、適切な方法や加工工程のアドバイスをさせていただきます。ぜひお問い合わせください。