「鋳造」とは?

鋳造のことを知ろうNo.1

鋳造(ちゅうぞう)は金属加工の方法のひとつです

私たちの身の回りにはいろいろな方法で造られた金属製品があります。製品の用途や形状、大きさや必要な強度によって適切な加工方法が使われているのです。金属加工に絞ってみれば、切削加工やプレス加工、鍛造加工などがありますが、その中でも形や大きさの自由度が高く、大量生産に適し、主要な金属素材を利用できる加工方法が「鋳造」という方法です。
鋳造は簡単に言えば造りたい形状の形(鋳型)に溶けた金属を流し込み、冷却して固まったところで鋳型から出す、という金属加工方法です。鋳型の材質や金属素材によってさまざまな方法がありますが、詳しくは次回でご紹介いたします。

さて、この鋳型を使った鋳造はいつごろから行われていたのでしょうか?調べてみると、人類が鋳造を始めたのは、紀元前4,000年頃のメソポタミア地方といわれています。ここから鋳造の技術はヨーロッパやアジアなどに広まっていきました。
日本へ鋳造の技術が伝わった経路は、諸説あるものの中国大陸から朝鮮半島、日本へと伝わったといわれます。日本での鋳物製造の始まりは推定ではあるものの、弥生時代前期の終わりごろ、弥生式土器文化の伝来とともに青銅器と鉄器の鋳造技術が伝わり、奈良時代には仏具や釣鐘、寺院の建材の製造に生かされ、平安時代には全国に広がったと言われています。鋳造はいにしえから私たちの生活のなかにあった、身近で生産性の高い金属加工方法といえるでしょう。

「鋳造のことを知ろう=No.2=」では、さまざまな鋳造の種類と使われる材料・用途について見ていきましょう。

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